ぶっちゃけ予想してなかったよ
2015年5月21日。
この日はつかさの誕生日だった。
つかさにとってもう1番じゃなくていいから誕生日くらいお祝いしてもいいよね…?
それに以前誕生日を聞いた時にお祝いするねと約束していた。だからその約束は守りたかった。たとえ向こうが覚えていなくても。
そう思いながら私は0時ぴったりにスタンプと一緒にLINEを送った。
「誕生日おめでとう!0時ぴったり!笑」
どうせ誕生日はあみと過ごしているんだろうことは予想がついていた。
つかさは返事がすごく遅いのにこの日はすぐに返事が来た。
「ありがとう。すごく嬉しい。」
…なんで嬉しいとか言うんだよこっちが嬉しくなってしまう。やっぱりあいつはずるかった。
「プレゼント何もなくてごめんね笑」
するとまたすぐに返事が来た。
「大事なのは気持ちだろ。」
こんなこと言われたらやっぱり嫌いにはなれなかった。むしろああやっぱり好きなんだなぁと再認識してしまっただけだった。
それから新歓打ち上げまでの間、めったにTwitterで呟かないつかさが珍しく結構な頻度でツイートしていた。
何かあったのかは疑問に思いつつ、どうせまた喧嘩でもしたのかなくらいにしか思っていなかった。
そして6月のはじめに新歓打ち上げがあった日。私の予定が大幅に変更することになる。
この日につかさに話してもう振られてしまう勢いだった。
ところが…
「ねえねえつかさとあみホントに別れたらしいよ。」
……おいおいマジか!?マジなのか!?!?
予想外の展開に私は返事が遅れた。
しかも他の子も知らない子が多くて、1人が本人に直接聞いた。
「ねえあみと別れたってホント??」
「あみにゃんはね〜〜……星になった!!!!」
本物だった。
実際あみはこの打ち上げにいなくて、恐らくつかさと同じ場にいるのが気まずかったのだろう。
あまりの急展開に私は迷っていた。
もう可能性はゼロだと思っていたのにもしかしたらゼロじゃないかもしれなくなったからだ。
とはいえ別れたばかりだしやはり振られる確率は高いだろうと思っていた。それならそれでもうしょうがないし私には合コン相手がいるし大丈夫だと思った。
しばらくしてみんなもお酒がまわり酔っ払い始めたころ、私はつかさが1人なのを確認して隣の席に座った。
座るなり奴は私に挑発的な発言をした。
「かなちゃん!俺別れたよ?」
わざわざこんなこと言われたら私には俺は別れたけどおまえはどうするんだと言わんばかりの感じにしか思えなかった。
「うん、さっき聞いてたよ笑」
「もう〜聞いてよ!あいつ別れる時も酷くてさ〜」
別れを切り出したのはつかさからだった。しかし案の定あみは当然受け入れず、なかなか別れられなかったらしい。
「そっかーそれは大変だったね…笑」
「でしょ〜??」
「……あのさ、つかさくん」
「なーに?」(本当にこんな感じであざとく言ってくる)
「……あのね、新歓終わったらつかさくんに言いたいことがあって……時間くれる?」
「……うん、いーよ」
まさかこんなことになるとは思わなかった。
とはいえいよいよ勝負の時が近づいていたのだった。